カラースケールとグレースケール

医用画像で注意すべきは、カラースケールの並び方が、必ずしも色の明るさ、明度とは一致しない点である。

例えば、論文投稿でのグレースケール画像は無料だが、カラーの画像が有料のことがある。あるいは、図書館で本のカラーのPET画像を白黒のコピー機でコピーする。



そこで単純にRGBの画像をグレースケールにすると、つまり、カラー写真がモノクロ写真になると、下図のようになる。

RGBの色は、明度によってグレースケールに置き換わる。画像右にあるrainbowのカラースケールを単純に明度によってグレースケールにすると、下と上が黒になり、真ん中が白。最も代謝が高い被殻が、低い部分と同じ色で表示されてしまう。代謝が高い部分と低い部分が同じ色になってしまうのである。

本来グレースケールを用いた18F-FDG PET画像は、下図のような画像にならなければならない。


このような現象があるため、核医学学会は、ルーチン画像はグレースケールを推奨している。これなら紙にコピーしてもカラースケールの逆転はない。

放射線科の先生方はグレースケールに慣れていらっしゃるが、脳神経内科医の多くはrainbowの方が異常を捉えやすいのではないかと思う。

正しいグレースケール画像の作成は、医用画像用のアプリケーションでDICOMデータを読み込み、表示を変更されたい。

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